割りと固い表現が多かったので、あたまぷーな自分は寝る前に読むと寝付きが良くなりました。
さて、アプリ業界ではパクリアプリが少し前ホットな話題でしたが、著作権侵害の倫理的な是非を問うた本ではありません。法律違反は違反ですので。パクリアプリの一件があった状態で読み進めてたので、なんかもやもやしたまま読み終わってしまいましたw
本書はソースコードやデザインの盗用ではない、ビジネスモデルのパクリ(模倣と表現されています)について「ビジネス成果」の観点で見ると、毛嫌いしてないでもっとちゃんと向きあおうと呼びかけています。
有名な例では、コンピューターにGUIを持ち込んだのも、携帯音楽プレイヤーを発明したのもアップルではなく、すでにあるアイデアをパクって、自らが持っている価値とくっつけることにより世間からは「イノベーション」企業だと賞賛されてるわけですよね。
企業はパクられないための努力をします。著作権や特許という国が用意するルールでの防衛とか、簡単に真似されないような努力をするのですが、それと同じくらい他社のうまく行っている面を取り組む努力をしましょうということを書いています。
そもそも、全く全てが新しいアイデアというのはないんじゃないかなーということを本書を読んでいて感じました。程度の差はあれ、意識・無意識によらず過去様々分野の経験を取り入れて、新しい要素を加える事こそがイノベーションなんじゃないかと。
「新しい何かを生み出す行為」自体は、さまざまな書籍で取り上げられたり、あるいは企業が研究開発部門を立ち上げたりと皆が真剣に取り組んでいます、、、それとおなじくらい、「他を模倣する」ことについても体系立てた手法を用いてアプローチすべきであると本書は述べています。
成功例に対して、なぜうまく行ったのか、複雑に絡み合った要因を解読し、自分たちのビジネスに適応するにあたって、成功例との外部要因の違いはなんなのかを考えて取り込む。文字にすると単純ですが、他人の成功を外からどれだけ眺めても、内部の仕組みについては完全に理解することが出来ません。
それでも本書に乗っているアプローチで模倣をやってみる価値はありそうです。