ku-sukeのブログ

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クローズドなコミュニティに移った2020年のインターネッツ

エンジニアではないけど趣味でコードを書いているku-sukeといいます。普段はレンタルPMみたいな新規事業支援の名のもと、人間とか組織のバグや負債を返す仕事をしています。今日はクローズドなコミュニティについて、および未経験でIT業界にチャレンジしている人とか向けに、道を外した人間でもなんとか食っていけてる話をしてみようと思います。

 

本記事は「エンジニアと人生 Advent Calendar 2020」の5日目の記事です。昨日は泉芳樹(ヨックン)さんの「エンジニアと人生」、明日は、moyashidaisukeさんです。お楽しみに!

 

まずはじめに、このAdvent Calendarは「エンジニアと人生」コミュニティというSlackグループの中で生まれたのですが、偏った主観で説明すると

 

「もとはiOSの有名エンジニア堤さんを囲む有料サロンだったけど、なんか居座ったフリーランスたちがTwitterで話しにくいことを話す場として勝手に使っている、あとなんか発信を頑張るというテーマがメインらしいので、頑張って発信してる人たちの記事を眺めて『人生やなぁ』と絵文字スタンプを押す」ような場です。

 

そして僕はだいたい金の話をするガラの悪いtimesを運用しています。最近は年末が近いので、何を経費として計上するのか、法人と個人事業主で節税の設計が少し変わる話、案件を他人に紹介するときには何%抜くべきか。みたいなTwitterではしにくい話を垂れ流しています。

# クローズドなコミュニティに移った2020年

はてなに書くと主語がでかいとかそういうクソリプが飛んできそうなタイトルですが、そういうとこやぞ!!という話をしようと思います。

 

僕はもうアラフォーに差し掛かってしまったので、最初のインターネッツnifty-serveからオープンなインターネットサービスに移り変わり、ISDNというネット回線が23時から使い放題になる時代でした。*1 僕が出会った最初のコミュニティはニフティチャットでした。

当時の時代のインターネットというのは、2ちゃんねるを代表に、わりと殺伐としていたように思います。普通の人があまり参加していなかったからかもしれません。そのようなコミュニティも時代が過ぎるにつれ、mixiがあり、スラッシュドットがあり、はてながあり、アメブロがあり、TwitterFacebookと、まぁいいや。スマホの普及もあいまって誰しもが秒でインターネットに発信できる世界になってしまいました。

 

その一方で、書き手も読み手も気軽に発信できるようになった弊害として、コンテキストを共有できない相手が勝手に読んで勝手に怒ったり炎上したりすることが増えました。一部ではポリコレ棒とも呼ばれますが、ぼくはどちらかというと共通のコンテキストを持たない人に声が届いてしまう問題だと思っています。

友達とのバカ話のつもりが、うっかり拡散されないように、いろんな人が持つ「正しさセンサー」に違反しないように、気を付けてオープンな場で「個人のつぶやき」を発言をするのが、めんどくさいと感じるようになってきました。にゃーん

 

そういう空気を感じた反動で、ことしはクローズドまたは半クローズド(誰でも入れるけど公開じゃないFBグループとか)なコミュニティに参加することが多かったです。一部はオンラインサロン形式でお金を取ることもありますが、個人的に参加しているものは月1000円程度なので、人数が増えても荒れにくいというフィルター代+ホストが稼働してしっかりメンテしてくれる人件費と考えると安いと思います。

その最たるものがエンジニアと人生コミュニティでした。ここに入り浸るせいでTwitterでの発言が大幅に減りました。あとは前職の人たちが集うSlackとか。コンテキストがある程度共有できる場での発言は非常に楽なものです。*2

 

そういえばiOSの開発にNDAがかかってた頃も、そこここでこっそり内輪の勉強会やっていた気がしますね。懐かしい。


そんなわけで、あまりパブリックなコミュニティの頻度が減ったな、とか、instaとかnoteとかパブリックでもある程度客を絞るというか色を付けてるようなコミュニティがいいなと思った2020でした。

 

# 以下おまけ、エンジニアとして生きていけなかったが食えるようにはなった話

 

以下は、エンジニアにはなれなかった自分がとりあえず食えるようになったログです。未経験からエンジニアを目指す方や、エンジニアで食っていくのしんどいわと感じている方の一つの例になれば幸いです。

 

とおもって3000文字ほど書いたのですが、あまりに生々しく年収の推移とかも書いてしまったので、書き直しました。自分のtimesチャンネルに供養しておきますので気になる人は見に来てください。そういうとこやぞ!パブリックインターネット。

 

以下、公開版として書きます。

 

## 起業に失敗

高校までは田舎のまじめな優等生だったけど、高校でガソリンスタンドで働き始めたことで道を外す。大学進学をけって年上のバイトメンバーと起業するためWeb専門学校へ→入学後すぐ解散して目的を見失う。就職がなくてAppleのコールセンターで働きました。結婚を機に未経験募集していたWeb制作会社に転職。

 

## 勉強会・iPhoneで転機

未経験で苦しくも歴代の上司や役員に育てていただき、ハードワークなときもよくありましたが案件を受けてプログラミングして納品するところまで出来るようになりました。その後2008年のiPhone発売日にiPhone専業子会社ができ、そちらにうつり、かつ大阪から東京に転勤することになりました。

その会社で、最初はkansai.pmからはじまりいろんな勉強会に参加させてもらって、社内外で勉強会を主催・運営するようになりました。とくにiPhoneの勉強会は上述した通り最初NDAがあったこともあり、情報が不足している時代で、勉強会を実施すると毎回60-100人ほど満席になったように思います。

iPhoneで開発の仕事をすると、企業が個人に負けるということが当時は良く起きており、企業側からアプリマーケの相談を受けていました。そういった情報収集・発信活動をやっていく中お声がけいただき最初の本を出しました。

 

## エンジニアをあきらめビジネス方面を伸ばす

このとき、基本的にソフトウエアの基礎を学んでこなかった自分は、PHPと違ってメモリの管理が必要なObjective-Cにエンジニアとしての限界を感じており「この世界で戦っていくの無理だ。本読んでも理解できない・・大学でプログラミングやってたやつとかがいる・・」と。

そこで、「ビジネス側とも会話できるエンジニア」を目指すことにしました。幸い、起業を志してた19歳の時に年間購読したプレジデント誌(半分は未開封積読)にはじまり、ビジネス書はちょくちょく読んでいたので「エンジニアの中では比較的口が立つ」というポジションで生き延びることができました。

 

## 合計4度の転職・独立、逃げるように軸足を変えていく

雇用形態を無視すれば、働く会社を変えたのは4回・5社です、コールセンター→制作会社→サイバーエージェントリクルート(RMP)→DMM子会社。

 

思えば、軸足を変えていくのは逃げるような感覚があるかもしれません。一つの組織、ポジションに長くいると、自分より優秀なチームや人間が出来上がってきます。そんなときに、損切りするように別のポジションに行くわけです。

その中で、需要と供給のバランスが崩れているポジションを狙ってスキル不足でもちやほやしてくれる場所に逃げ続けた。というのが自分の生き方でした。

  • ビジネスがわかるエンジニアが不足していたので、エンジニアリングもビジネスも中途半端だけど重宝された。
  • エンジニアのマネージャをやりたがる人が超少なかったので、マネージャーとしては全然だったけど引き受けた。
  • 営業マンが99%くらいの広告代理店部門にWeb技術を分かる人が少なかったので重宝された。
  • 新規事業でチームメンバーが少ない中、開発にもCSにも利用規約にもデジマのプランニングにも首を突っ込む人が重宝された
  • IT業界の人で金融業界や資金決済法、金融庁の(雰囲気だけでも)分かっている人が重宝された

まとめ

まぁ、飽き性なんでしょうね。もちろん、圧倒的にスキルが足りない状態で着任するので、そこからの勉強は大変です、学歴がないので通信でMBAもとりました。奥さんの名言「現状の待遇に感謝しつつ満足してはいけない」を胸に、ケツをたたかれ続けここまで成長することができました。

最近では新規事業に特化したレンタルPM、レンタルCTOみたいな仕事をしつつ、ストレス解消に個人開発を夜間土日でやっています。

 

もし今僕が駆け出しエンジニアだったら、きっと新しくて経験5年みたいな人が市場に少ない人気技術に特化する気がします。Flutterとか、Firebaseとか。そうして、日銭を稼ぎつつ、40代50代になも十分な需要がありそうな機械学習方面の勉強を腰を据えてやると思います。 

 

というわけで、ある程度ぼかして書いたあたりとか、年収の推移とか、転職の時にこういうこと言われたみたいな外に書きにくい話は、「エンジニアと人生」コミュの内輪で盛り上がるネタとして供養したいと思います。

 

あしたはmoyashidaisukeさんです、お楽しみに!

*1:だいぶ端折ってるけど突っ込まないでください。若い人にはどうでもいいことです。

*2:コミュニティを運営する側とすると、コンテキストを共有しない新しい人の参加障壁となり、コミュニティが死んでいくのでアレですが