この度、1年半ちょっと借りた作業部屋を解約することになりました。そこは仕事仲間や、Slackコミュニティのエンジニアたちがフラっと集まる、端的に言ってめちゃくちゃエモい場でした。
この記事は「なんか、出勤するってわけじゃないんだけど、みんながフラっと集まれる場所あるといいよな~そういうスペース作りたいな~」みたいなことを考えた人のために振り返りを残したいと思います。
何を構築したか
池袋徒歩8分、事務所利用可40平米ちょいの築古物件を賃貸し、快適なネットと椅子とWiFiを敷設して知り合いのフリーランスやSlackコミュニティのメンバーが集まれる場所を作りました。
その結果どうだったか
めちゃくちゃ楽しかったです。
なにが、というと難しいし、開始するとき想い描いていた形とはちょっと違ったのですが、とにかくやってよかったな、得難い経験に課金できたなという気持ちです。昨年、DIE WITH ZEROという本が出て界隈で少しはやったのですが*1要はそういうことです。
なお収益性は皆無です。コミュニティの皆さんにそれなりの額をカンパしてもらったり物品を送ってもらいましたが、収益が出るという感じではありません。その辺も下の方にメモしておきます。
どういう使い方をしたか
- 自分及びお知り合いの作業場として
- コミュニティの皆さんとのオフ会(LT会やパーティ)場所として
- 地方勢が上京してくるときの仮眠スぺース、拠点に
まず自分自身がとても気に入って作業場にしていました。
ぼくはサラリーマン時代の後半は、複数社ありますが執務スペースの近くにソファエリアなどダラダラできる場所があるオフィスで過ごしていました。でもフリーになって、そもそもオフィスはないし、シェアオフィスなど探してもなかなかそういう(だらけられる場所のある)スペースは見当たりませんでした。
パルム(いちご味)+コーヒー+こたつ
最近だと.andworkなんかが近いかもしれないけど、当初から↑のコミュニティメンバーのオフ会的な利用もできればいいなと思っていたので、人数ごとにそこそこな額が課金される月額性コワーキングもまたちょっと難しいと思ったんです。
つまり
- ゲストを~10人くらい気兼ねなく呼べる
- 質の良いイスがドロップインでも使える(意外とこれを満たしてないコワーキングは多い)
- だらだらできるソファエリアもある
- 冷蔵庫に炭酸水と、アイスと、なんならアルコールが入っている
- 時間を気にしなくていい・徹夜で麻雀やってもいい
特に最後の時間に関しては、カーシェアvs車所有のUXの違いで議論したことがあったんですが、やはり使いたいなと思ったタイミングで予約を取り、何時間使うか事前に計画し、終わり時間を気にしながら、それぞれ個人に課金されるという点は体験上劣るなと思ったのです。
低コストで場所を年間で抑えてしまうのが一番だとなんとなく考えて、運営するうえでその仮説は確信に変わりました。
みんなにもいいって言ってもらえた
あとはなんか、来た人みんなに「いいね」って言ってもらえました。お世辞でもうれしい。じぶんでつくったWebサービスが褒められたみたいに。
パーティ的なのをしたり
※このビルは全フロア事務所利用で夜間はひとがいない
もくもく会に使ってもらったり
この場でたくさんのイベントが実施されました。なんだかんだ小さいのも含めると月1くらいではあったのではと思います。地方民が上京時に時間をつぶす場所としても機能しました。
思ってたのと違ったこと
もちろん思い通りじゃなかったこともあります。一番は稼働率で、おそらく最長で1か月ちょい僕含め誰も訪れない時期があったり(週1の清掃はお願いし続けていた)、多少もったいないなと思うこともありました。
とくに僕自身がこのオフィスを借りる4か月前に引っ越しており、快適な(ベッドから徒歩2歩の)仕事机があるせいで、思ったよりいかなかったなというのは誤算でした。
あと、練馬や志木に住んでいる(た)僕は池袋=東京の中心地のひとつだと思っていたのですが、横浜民や千葉民からは結構遠かったのです。東京は思ったより広いな~。誰かにとって近いオフィスは誰かにとって遠い、そんな当たり前のことを思い知りました。山手線は大阪環状線の倍くらいあるんやで。
いろんな都市の環状線を比べてみた pic.twitter.com/dUFcftit7Z
— イカリング (@ikaring63036919) 2022年2月16日
不特定多数に貸し出せばもうちょっと稼働したかもですが、大家さんとの約束で知ってるエンジニアしか呼ばないんでってのもあり(そもそも知らない人に貸すには無防備すぎる)これはバランスですね。
1年前といえばコロナの緊急事態宣言が出たりひっこんだりしたのも影響がありました。上の集まった写真はそれぞれ蔓延が落ち着いたタイミングで、しかもこのオフィスは古くてすきま風が差し込み、換気扇が3か所に備えられ窓も3面あるという超換気のいいある意味時代に合った部屋でしたが、それでも個々人の家庭環境やリスクに対する考え方はあったかなと思います。
そもそも「作る」ってのが楽しいんだよ
ここまで読んで、なんか場所借りたんだねふーんくらいに思ったかもしれません。でも大事なのはそこじゃないんです。「場を作る」過程をみんなで楽しめることなんです!個人開発勢だってそうでしょ?なんかめっちゃ盛り上がって作ってる最中が一番楽しいみたいな(そして満足して次をまた作り始める)
まず物件を選ぶところから盛り上がる
次に部屋が決まったらどうするかを楽しめる。古い部屋は30Aから増設できないから注意な。
※結局エアコン2台を同時に暖房使うとブレーカーが落ちるという素敵な部屋でした。
いろんな人にいっぱい贈ってもらったり。「これは僕に贈るんじゃないですよ、『秘密基地はワイが育てた』ってオーナーシップを感じてもらいたいんです」って言って回ってました。
届いた荷物をみんなで開梱したり(時給の高いMacBookより重いものを持てないエンジニアたちを酷使する)
だんだんできていく様を楽しめる
和室にウッドカーペットを敷いてフローリング調にしたり。
旅行のおみやげをなぜかここに持ってくる皆さん
そうして、家具やガジェットが追加され、ボドゲが置かれ、麻雀セットが置かれ、場が育っていったのでした。
まとめ
(ホワイトボードに書いてもらったお別れの絵。エモい)
- 良い椅子とWiFiとダラダラできる場所が同居する環境最高
- コミュニティのみんなと場を作るの楽しすぎる
- 都度借りるんじゃなく、いつでも寄れる場所があるというのはいい
つまり、めちゃくちゃ楽しい1年半でした。この経験を生かしてまたなんかやってみたいなと思いました。
お金周り
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まちがった。ここははてなだった。はてぶをお願いします。
だいたい初期費用で60万円くらい、1年半の家賃や家事代行、光熱費含めて240万くらい、合計300万+税、。利用費用に関しては途中から原則無料、儲かっている皆さんは段階制で一定の金額を払ってもらうことにして、イベントや利用を通じて合計40万円~カンパいただきました。また上でも書きましたが家具家電、消耗品とかをたくさん譲ってもらいました。
ある程度大きな金額に見えますが、東京で事務所利用可で山手線から駅徒歩8分で40平米ちょいでこれくらいの値段に落ち着いたのはすげー安いですね。
ついでにオフィス系や地方DX文脈で、IT系の人が集まれる場所を作りたいみたいな相談をうけることがたまにあるんですが、ここの話をすると非常に盛り上がります。そういう意味でもなかなかできない経験を得られました。
なおこの原資は3年ほど前に某所で仕込んだマイニング機器から上がってくる収益だったのですが、ETH2.0移行に伴いマイニング市場がお通夜になってしまったのであわせてオフィスも解約と相成りました。いいお金の使い方だった!
というわけで、法人を運営していて、利益が年間200-300くらい余分にでそうだな~とおもったスモールビジネスの皆さん。雑な部屋を借りるとめちゃくちゃ楽しいです。ぜひトライしましょう!
あと若干資材の引き取りて(机や会議スツール)が足りてないので、この機会にやってみたい!という方は2月中旬までにお声がけください。それ以降はジモティで処分してしまいます。
*1:まだ積んでて読んでない