ku-sukeのブログ

Just another hatena blog

ゲーム開発で学んだ報酬設計とユーザ心理

 少し作業が一段落したので、ゲーム内の欲求についてメモっておく。このへんプランナーさんとかはしってるかもしれないんだけど、自分なりに感じたことを。

 

 ゲームプランニングの教科書とか、レベルアップのゲームデザインという本を読んだりもしたんだけれど、ゲームというのは、一定のルールがあって、そこに自分が何かのアクションを起こすと、フィードバックが帰ってきて、ルールに基づいた結果を競う。そんなところみたいだ。

 

なぜ人がゲームをするかというと、楽しいからであって、そういう意味では僕はエンターテイメント全般から学ぶ必要があると感じた。言葉にするのはすごく難しいけれど、心の動きが重要なのだと思う。

 

ゲーム以外にもこれらを活かすためにメモに残したいと思う。

 

■カードゲームにおける要素と感情

 

チュートリアル

 

チュートリアルというのは単に機能の使い方を覚える場所ではない。誰しもが100%超えられる試練を提供することにより、最初の成功体験を積んでもらう場所だ。チュートリアルがないゲームだって、最初の10ステージくらいは間違えようが無いように作ってある。そして、できたら「ごほうび」を貰える。

メッセージとしては、「あなたはもうこのゲームをうまく使えてますね!えらい!」だとおもう。

 

これをサービスのゲーミフィケーションにするとDropboxの容量追加クエストになる。重要なのは元々タダで提供するつもりだったものをボーナスとしてとっておくことだ。

 

■ガチャなどのランダム要素

 

ガチャにかぎらず、ランダム要素というものは、当たる喜びがある。たとえばランダムでいまから1時間だけポイントが2倍稼げるステージが自分だけに表示されたら、あたった喜びでやってみようと思うかもしれない。

 

年明けにkoboがお年玉クーポンとして、20-50%のクーポンを配っていた。自分は50%は当たらなかったけど、あたったら無駄遣いしていたと思う。

 

■期間限定

 

ECと同じく、期間限定はいたるところで用いられる。1週間しか開催されないイベント、月末の3日間しか発売されないお得セットアイテム、昼しか表示されないガチャ、10分間で逃亡してしまうレアボス。今月末で消えちゃう有効期限付きコイン。

 

「いつやるの?いまでしょ!」は得するというよりも「逃すと損しますよ」というメッセージなので、多用すると疲弊をまねく。

 

■連携プレイ

 

パズドラ、艦これと、友だちがいない人でも楽しめる、ソーシャル性の薄いゲームが人気だけども、どこか「義務になりそうでならないでもちょっと心理的にはなる範囲」の友達を感じられることが重要。

 

自分がゲームにちょっとだけ飽きてても、なんかすんげー新イベント盛り上がってたら「お、なんか良さそうだし少しやっとくか」となるし、Twitterで「おれランク162〜」などと書かれていたら、追いつけそうなら追い付きたいと思うわけだ。

 

中〜上位ユーザは強い連携も大丈夫なので、頻繁に利用する層であれば友達からの救援依頼だとか、手にしたアイテムが盗まれたとかでバンバン通知を送ってあげると良い。ただしそれを全体にやると疲れてやめてしまうってことだ。

 

■アチーブメント

 

カードゲームよりも少しカジュアルなユーザ層向けに多いかもしれない。○○ができたら××をGET!というものだ。これはチュートリアルとも似ているが、初期段階ではなく定常コンテンツとして提供される点が大きく異る。つまり「やらない」という選択肢もユーザには与えられているのだ。

 

ゲームを余りしない層は、一本道で言われたことだけを次々こなす、脳が省エネモードでもできるゲームを好む。カードゲームであまりやらないのは、戦略要素が殆どなくなってしまうためじゃないかと思う。

パズルゲームだったら、お題をクリアするためにパズル頑張るってなるけど、ポチポチゲーだと異なるお題をこなしてるのに結局ポチポチしかしてないじゃん。ということになりかねない。

 

■ストレス要素

適度に与えるストレス要素としては、上記のメリットが享受できないことである場合が多い。ガチャのチケットをゲットしたのにしょぼいカードしかでない、体力回復にあと3時間かかるのに限定イベントがあと2時間で終わってしまう。ステージ10まで成功体験を積み重ねてきたのに、ステージ11で初めてボスに負けて挫折した。

 

★インセンティブの設計について

 

ゲームの場合、インセンティブは比較的容易に発行することが可能だ。100円で売ってるアイテムをポンと配ればいい。サーバーがトラブルになってどれだけ詫び石を配ろうとも、原価はほぼ0円に近い。(逸失利益はそこそこあるけど)

 

しかし、これが2chまとめサイトだと難しい。提供できる資源が記事くらいしかないし、それが唯一だから。

 

非ゲームにおけるインセンティブはいくつかのパターンが有ると思う

 

・バッジ:

いわば「がんばりシール」だ。4sqとか、ロケタッチとか。全員に配るには押しが弱いが、上位10%に配るなら効いてくる、たとえばKLOUTのスコア上位10%に入れば、なかなかソーシャル上の影響力が高いことがわかるし、口コミサイトでは[TOP50レビュワー]というバッジを与えればその人の権威付けとなる。

 

・有料コンテンツ:

ゲームじゃなくても有料モデルは多い。Dropboxのように容量を配るものがある。そういう視点で見ると実はいろいろ無料で配れるものはある。たとえばヤフオクで出品時に目立たせる機能が有料だが、これをチュートリアルクリア者にはおまけで3回分プレゼントするということが考えられる。

 

ほかにもUstreamのアドフリー(広告除去)オプションや、Cookpadの人気順に並べ替え機能など、有料会員にのみ提供しているサービスを、回数限定でアイテムとして配ってしまうのはインセンティブ設計で有効だと思う。

 

インセンティブの量は、お金払えば一瞬で手に入るけど、時間をかければなんとか同等にほぼ近いものが手に入る用にしておけばいいと思う。

また、直接課金じゃなくてもCPI/CPA広告のコンバージョンと同等の行為を行ったユーザには、有料会員と同じか無課金ユーザより1桁多い報酬を用意すべき。(コンバージョンというのはたとえば有料会員を紹介してくれるとか。)

 

例:Cookpadのように並べ替え機能が有料なサイトの例

・課金ユーザ:月額315円で機能使い放題

・無料だけど課金ユーザを紹介してくれた人:1ヶ月無料で機能使い放題

・無料だけどTwitterにつぶやいてくれた人:1日だけ無料で機能使い放題

 

このように段階制とする。

 

今日はここまで