ku-sukeのブログ

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Youtubeのテロップ制作フローを効率化してみた話

前回に続き今回もYoutube動画制作ネタです。いろいろと初めて見ると気づきがありました。

字幕画像を自動生成できるようにした

仕事がけっこう忙しいので、どうしても夜間休日の子供が塾に行っている時間とかがメインになってくる関係で省力化は大事です。そこで前回はスライドショー的な形式をやってみることである程度LT発表に近い手間でYoutuberデビューすることができました。

 

ところが、自分普段はYoutube音声なしでとばしまくりでみることが多いんですよね。そういう視聴スタイルからすると、字幕のない動画はつらい。ただしYoutubeの自動字幕ってつけたり外したりが面倒なので、動画内にテロップ的に出してほしいんですよね。なので作りました!

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テロップの様子

このように、だいたい動画の幅に合わせた文字数で入力し(複数行画像は¥nで制御)えいやっと押すと

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こんな感じで生成できます!

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こいつを、GoogleDrive経由でiPadにコピーして、Luma Fusionで読み込ませて、ひたすら並べていけば完成です!出来上がった動画がこちら

 


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よかったらチャンネル登録&高評価をお願いします!

 

仕組みとしては、PHP+iMagickで、まず白い枠を太く描画し、同じサイズで通常の文字を描画すると、いわゆるテロップ風のフォントが完成します。バリエーションが欲しいけど面倒だったので、!で終わる行は赤文字 ・・・で終わる行は青文字になるようにしましたw

 

ちなみに文字起こしプロセスも自動化

 スライドに合わせるアフレコ形式なんですが、録音マイクの横にPixelを置いて音声文字認識でテキスト起こしをしています。Slack経由でコピペして、先ほどの自作ツールに張り付けたあと整形しています。

 

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これらの方法で効率化しても、文字を並べる作業だけで100個くらい発生するので、もっと良いソリューションがないかと考えてみます。録音時に秒数とっても、結局編集して時間がずれるのであんまりなんですよね。

 

LTを録画する気持ちでYoutuberデビューしてみた話

Youtube、みなさんみてますか。僕は一切見てなかったのですが奥様が見始めてから一緒に見るようになり、結構見るようになってきました。昔はいわゆるヒカキンさんみたいなYoutuberしか知らなかったんですが、実際に見てみるとブログ的な内容を動画にしたやつの方が多く、ダラダラとみてしまいますね。

とりあえず機材を買ったものの

それで、エンジニアの人とか、知っている人もふつうにYoutubeに発信し始めていたので、僕も始めてみることにしました。

ひとまず形からということで、自分の法人の決算期に合わせ機材だけ買い込んでいたのですが、セットアップだけしてチュートリアルを実施しただけで始めていませんでした。やはり自分の得意分野を発表するとなると気構えてしまい、なかなかダメですね。

そんな中、ふと思い立って「モバイルカーオフィスを作ろう」という中古車を買って快適な作業環境をつくるというプロジェクトを始めたので↓

note.com

こいつを題材にやってみることにしました。お遊びプロジェクトの方が練習台にはいいですよね!

LTっぽくしゃべるだけにしてみた

お遊びとなると、結構いろいろ妥協してすぐに決めることができました。まず、自分の姿を録画する必要がありません。ビジネス系だとジャケットを着てピシッと解説する必要がありますが、お遊びなのでおっさんの姿を映すメリットはありません。

つぎに内容ですが、noteで書いた内容をまとめて、LTみたいにスライドにして、操作しながら録音するという「絵付きPodcast」くらいのクオリティでもいいやと考えました。これだと昔から何度もやってきたので、さらに気構えずにできます。

手順としては

  • ネタを考えて目次を作る
  • その内容に沿ってスライドを作る
  • 必要に応じて紹介するサイトやYoutubeを用意する
  • 通しで話してみて練習する

ここまではLTと同じですよね。OBSというソフトを使うと、スライドや背景画像を自由に配置することができます。詳しくはググってください

そして、Youtubeに配信する流れとしては

  • Youtubeで配信用ブランドチャンネルを作り設定する
  • OBSで録音する
  • USBメモリiPadにコピーし、LumaFusionでカットする
    (あーとかえっとーとかは消せる)
  • Youtube Music Libraryから適当な音源をダウンロードしてLumaFusionで合成
  • アップロードして各種タイトルなどを設定し公開

こんなかんじです。慣れていなくてもググりながら2週間くらいあればできると思います。iPad×LumaFusionは音声をカットするのがめちゃくちゃ楽で使いやすいのですが、無料で進めたい場合はiMovieでも十分です。

出来上がったのはこちら


モバイルカーオフィスを作ろう!そもそも何それ笑

 

今回ははじめてで、画像やスライドのレイアウトを作るので力尽きてしまったので、ほぼLTよりPodCastという感じでしたが、徐々にこのスタイルで練習していきたいと思います。

よかったらチャンネル登録してください。100人を超えるとオリジナルURLが設定できるみたいなので。

新しい様式()でオフラインの劣化コピーを生み出さないために

 ネット上でのメディアや議論でも、実際のコロナに対するリモートワークやオンライン授業、セミナー類に至るまでたくさんありますが、ほとんどの記事はオンライン派かオフライン派に偏り過ぎています。

「やっぱりFace to Faceじゃないと生産性が落ちる」とか

 「もうオフィスはいらなくなる」とか

どちらかのメリットを語るインタビューばかりで、なかなか次の議論に行かないので、

今日は声を大にして言いたい!!!

 

オンライン化は対面の劣化コピーじゃねえ!!!

どういうことかというと、これをみてくれ

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図:オンラインと対面の価値

 

旧態依然としている組織や、いきなり上から降ってきて何をしていいかわからない現場の作業者の皆さんが、オンライン化を一生懸命考える、あるいは拒否することが多いと思うのですが、こういう現象が起きています。

 

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対面でできることの再現性しかみてない

どうみても丸がしぼんでます。いままで対面で出来ていたことを、できるだけオンラインで再現できないかとチャレンジするわけです。ですが、車が海を航海できないように、船が陸上を進めないように、得手不得手があるのです。(水陸両用車を考えた方、燃費や速度や航続距離や快適性まで考えてくださいね!)

 

そのため、できるだけ高画質でまるでそこに人がいるようにビデオ会議ができないか、とか、オンラインでPDFを配布して紙に印刷してもらおうとか、「企画だけ見るともっともだが実際にやってみると目もあてられない劣化コピーが生み出される」ことにつながります。

 

ポイントとしては、企画だけ見ると気づきにくいということです、なぜなら多くの企画は複数人のチェックを通過し、その複数人はいままでの生活様式()に慣れているから、気づくことが難しいのです。

イノベーションのジレンマではありませんが、馬には馬の、自動車には自動車の良さがあるのに、馬の体験を再現することばかり考えてはいけないのです。陸上は自動車で走って、海上はフェリーで車ごと輸送して、また陸地についたら車で走りだせばいいじゃないですか。

 

デジタルならではの価値って何?

 

いろいろありますね、まず、間に人間が挟まることによる制約がない事。クラスのプリントを小学生に配布しても、全体の約18%、男子の約49%(独自調査)が引き出しの中で発酵させることによりロスを起こしますよね?それが学校から保護者に直接届くからロスがなくなるわけです。

 

「やすみます」の連絡帳も深夜3時に発熱が起きた段階で先生が出勤されてなくても伝えることが可能です。時間や地理的な制約がない事につきますね。

 

データ蓄積によるアシストもできます。日本人だけでも同じ目的で何かをする人間はたくさんいるので、ほかの人はどうしているか、全国規模でみるとどうなのか、統計値や本人の行動からアシストすることができます。それも、特にケアが必要な人だけでなく全員に提供することができます。

 

もちろん対面の良さを付加することができます。一律の対応に比べ、特別対応な必要な顧客や相手にだけ追加で連絡を取ることもできます。

 

なにがいいたいか、だいたいわかってきましたね

 

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こっちをめざす

「世界の動向をみると、いままで陸地ばかり移動していたが、海というものもみんな進出しているらしい。海で快適に過ごすには、陸上の知恵もある程度生かせるが、海ならではのノウハウがあるらしい」こういうことじゃないですか。

 

じゃどうすればいいのさ

 

勉強してほしい。ごめんやけど、いまITの世界は無料でできること、プログラマーを雇わなくてもちょっと頑張ればできる事、たくさん増えています。

勉強のために、一時的に完全にオンラインに振り切ってみるのはアリ。対面の良さを生かさない、対面の業務フローと整合性を取らないでまずオンラインの良さだけで勝負することで学べることがたくさんある。

すくなくとも、この図を貼り付けることで、企画会議の時にみんなの意識を劣化コピーの方にもっていかないように、海に向かってフェラーリで突進しないように、なにとぞ、お願い申し上げる次第です。

 

 

絶対に途切れさせない子供のオンライン授業セット

 自分の方は何とでもなるのだけど、子供の塾などオンライン授業が本格化するにむけて、できるだけ授業中の中断を防ぐ仕組みを考えてみた。

 

1.機材は5万円以下で。ChromebookiPadが安定

 子供用なので、扱いが雑になる+画面が小さすぎると板書が見にくいという点を考慮すると、あまり高価でなく、安定して動作し、そこそこの画面サイズという点が求められると思います。

 

 5万円以下の価格だと、PCのスペックはしょぼくなるので、Windowsだとかなり気を使って運用しないと安定動作しない可能性があります。そこでChromebookを我が家では使っています。14インチで約5万円でした。ZoomもWeb版ですが動作します。

※追記:ZOOMのバージョンアップにより処理負荷が高まったのか、40分程度でフリーズすることが増えました。CPUが一定以上の機種を選ぶ必要がありそうですが、そうなると5万円では難しいかもしれません。

いまAmazonみたら結構売り切れていたので「日本語キーボード」の機種を選ぶとよいでしょう。

Amazon.co.jp: chromebook 日本語: パソコン・周辺機器ストア

 

もうひとつの選択肢はiPadです。無印というかスタンダードモデルは約4万円弱とリーズナブルで、こいつに

  • キーボードカバー
  • Bluetoothマウス
  • lighting+USBドングル

あたりを追加で買っても5万円前後で収まると思います。

 

Apple iPad (10.2インチ, Wi-Fi, 32GB) - シルバー

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  • 発売日: 2019/10/02
  • メディア: Personal Computers
 
Apple Lightning - USB 3カメラアダプタ

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  • 発売日: 2016/03/23
  • メディア: Personal Computers
 

 

 

マウスは最近対応した機能なので、子供向けにはなくてもいいです。親のパソコンみたいにマウスほしいというので・・・

もし板書が10.1インチでみにくい場合は、lightning - HDMIドングルでテレビと接続すれば大画面にミラーリングして映すことができます。ただし後述の有線LANと併用できる製品はなさそうなのでその点はご注意ください。

 

2. 安定した通信には有線LANで妥協する

 比較的高価なWiFiルーターを導入している我が家でも、週に1,2分間切れることがあります。集合住宅などでは、ほかの家の電波が混線したり、なかなか「絶対に」とはいきません。そこで妥協して有線です。

どうせ家は教材の山で散らかっているので(?)、部屋の中が多少不格好でもよいでしょう。

 

ケーブルの長さは5mを買いましたが、家の壁に沿わせて配線したい場合などは、直線距離の3倍くらいで購入しておくとよいでしょう。

 

現状我が家はChromebook+USB-LANアダプタ+5m有線LANで、安定して授業をつなぐことができています。親の会議は切れてもチャットで連絡したりリカバリ手段が用意されていますが、こどものオンライン授業の場合、先生側も多人数のサポートが回らない可能性がありますので、できるだけ安定した環境で参加させたいですね。

OSSに効率的に寄付したいと思ったメモ

 いまや業務上では便利なOSSライブラリとかをたくさん使わせてもらっているんだけど、そのほとんどは無償のボランティアに支えられて作られています。特に海外のメジャーな製品の翻訳とか、日本語ロケール対応なんかは初学者に限らず日本人の開発環境に多くの影響を与えています。ぼく個人でもVueを1年ちょっとサポートしてます。

 

そんな活動に少しでも貢献したいと考えているのですが、現状クレカでぽーんと寄付する(Github sponsers)ものなどは、基本的に税制優遇がありません。一方で、赤十字や特定のNPOに寄付したり、公益財団法人?みたいなものに寄付すると税控除があります。ようはふるさと納税みたいに、寄付した分の何割かが所得税などが引かれてお得なわけです。倍プッシュできますね。

 

www.nintei-torou.net

OSSの活動は公益性が非常に高いと考えていますが、このような寄付のしくみはキチンと会計報告がなされている団体でないと税制優遇を受けることができません。その運営の費用とコストを考えるとなかなか難しいなと思うわけです。

 

マイ基金というのを見つけた

で、いろいろ調べていたところ「マイ基金」という制度を見つけました。イニシャルで100万円以上基金に拠出すると、税額控除対応の助成基金を作れるというものです。手数料10%程度払うだけで、運営が丸投げできてよいのではと思い資料を取り寄せてみました。

kosuikyo.com

 

残念ながら、(おそらく不正を防止するためでしょうが)助成先の選定にはかかわることができないようでした。また、助成先も個人または任意団体となり、助成金に応募する手間などがかかります。OSSに貢献するクラスのエンジニアであれば、たとえば年間10万円の活動資金のために多大な事務作業をしてまで応募することはなさそうだし、本名を公開したくないとか、そもそもユーザ会として活動してるから個人でもらうのかよみたいな点があります。

 

というわけで、税制優遇を受けながらOSSに金銭貢献するのは難しそうだなというのが現在のぼくの見解です。それこそIssueHuntみたいなものもあるけれど、お金を払う手段というよりも受け取る側の(会計の透明性や所得税も含めた)仕組みづくりが重要になる気がします。

 

色々ハックすればNPO作って「広告費」の名目で企業からお金をうけとり各OSSコミッターに「業務委託費」を支払うみたいなスキームはできそうですけどね。イベントカンファレンス支援とか。広告費は多くの場合企業も個人も損金で落とせるので、悪くないかなとは思っています。

どう設計する?.orgみたいなのをやってみたい

  以前会社のブログで、「壁打ち」に関する記事を書きました。法人サイト更新してなくて恥ずかしいのですが。

www.uplucid.com

 

ひさしぶりに思い出す機会があり、壁打ちをもっと職種として体系的に扱えないのかと考えたところ、システムに限ればソリューションアーキテクトが近いのかなと思いました。

AWSが考え出した概念なんですかね。

https://zine.qiita.com/job-offer/aws-solutions-architect/

 

この記事ではいくつかに分類されているようですが、ようは顧客のビジネスをヒアリングし、その解決策(ソリューション)のアーキテクチャを作ってくれる人(設計者)とここでは扱います。(より込み入った技術アドバイスは除くものとします)

 

メルカリみたいなの作りたいんだけど

 

 ○○みたいなの作りたい!というのはいろんな現場で起こることです。しかし適切な壁打ちができなければいろんな意味で犠牲者がたくさん出てしまいます。ここはちゃんとした設計をしなければなりません。まずは予算を聞いてみましょう。

 

うーん 20万円くらいかなぁ。

 

 つぎに相手を張り倒しましょう。ではなく、20万円の原資でどのくらいのビジネスを考えているのか聞いてみたり、本当にやりたいことは何なのか聞いてみたり、メルカリと同じものを作ろうとしたら小規模でもこの高騰した東京のエンジニア相場だったら数千万はかかりますよと優しくお伝えしましょう。

 

 などと脳内シミュレーションで考えていたら、やはりこのような知識は形式知になっておらず、よくないなと感じました。

例えばおなじファイル共有システムを作るのでも、

  • さくらの共用レンタルサーバにありもののスクリプトを動かすのと
  • 高度な暗号化に対応し地理的に分散コピーされてるのにチョッパやでアクセスできて監査にも耐えうるやつをクラウド使わず自前構築

だと値段が4,5桁変わってくる可能性があるわけです。このように「言外にありそうな要件を過去のパターンマッチから補完する」「顧客が本当に欲しかった程度のものを過不足なく提案する」「運用のことまで考えられている」「そもそも作る必要あります?」「無理なものは無理という」みたいな知識は、なかなか教えることが難しいなと感じています。ビジネススクールケーススタディにも近い感じがしますね。

もし良い書籍があればおしえてください。

 

どう書く?orgの設計版みたいなやつをやってみたい

 

 ここからはめちゃくちゃ思いつきなんですが、特定の界隈で一世を風靡した「どう書く?org」というコードゴルフのサイトがあったのですが(今調べたら別の方がリニューアルしてた)それの設計版ができないかなと思ってます。

 

 たとえば「メモアプリが作りたい」というふわっとしたお題があった時に、シチュエーションを考えながらいろんなバリエーションをみんなで書くわけです。

 サーバは共用?クラウドコンテナ?サーバレス?アプリはWebのみ?フルネイティブ?Expoみたいなプラットフォーム?もしかするとエンプラ要件ならSalesForceで作るべき?とかとか・・

 

 自分が得意な領域が出ますよね。「ある程度パブリックにすることでSEO流入を期待できる設計にしよう」とかいうマーケが好きな人、いやいやパブリックにすると著作権の問題が出るから利用規約でしばってパトロールする管理画面が必要とかリーガル強い人みたいに。

 

 コードゴルフと違って?ものによっては結構な工数を回答に使うので、最初は仲間内でわいわいやってみるのも面白いかもしれない。 VPoEとかSAのみなさん、いかがでしょうか。

 

プロダクトの「使い始める」価値と、「使い続ける」価値

 プロダクトづくりの現場でふと昔のことを思い出して、ちょっとこれはブログに残しておこうと思ったのでメモ。おおむね自分用です。

 

○○の課題を解決するプロダクトづくり

リーンとかプロダクトづくりの手法が普及してきたことによって、プロダクトづくりの現場は「○○な顧客の課題を解決する~~」みたいな会話をすることが多くなりました。とても良いことですね。

プロダクトアウトとか自己中心的なプロダクトづくりからみると、それはもう大幅な進捗があってよいのですが、一方でSolution Problem Fitといいますか、課題に対する打ち手を考えるときには2つに分けて考えるといいんじゃないかという話です。

 

あまり使われなかったけど導入につながった機能

 一番思い出深いのが、某社で店舗向けサービスをやっていた時の頃です。B2B2C的なかんじで一般のお客さんが使うための店舗に設置する製品なのですが、営業さんが店舗にプレゼンに行くと、とある新機能がプレゼン受けがよかったと報告されました。

 確かに技術的に目新しいので他社にはないのですが、まぁそこまで便利かといわれると個人的には普通かなという機能でした。どちらかといえば「顧客の課題を解決する」機能としては集計やレポート機能が主だったのですが、そちらはあまりピンと来ていないようだというのです。

 しかし、一度使い始めると、受けの良かった機能の利用率は3割以下で「そこまで便利じゃないね。」という評価でしたが、メイン機能の方は満足されて利用を継続いただけていました。

 

本質的な価値にたどり着くための客寄せパンダ

 客寄せパンダ、と書いてしまうと身も蓋もないかもしれませんが、新規サービスを考えるときに本質的な価値をしっかり設計したら、そのあとで客寄せパンダ的な「目玉機能」についても考えてみるとよいと思いました。

 なぜなら、本質的な価値というものは継続して初めて分かることも多く、そこまでたどり着かないと価値を感じることができないのです。もちろん、そのために広告を打ったりすることもありますが、機能や体験設計の段階においても「使い始めるときに感じる価値」や「インストールして最初の15分で感じる価値」を定義してみるとよいでしょう。

 

関連して「IA的なデザイン」と「行動を引き出すデザイン」あるいは「気持ちを動かすデザイン」についてもどこかで考察したい。