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ku-sukeのブログ

Just another hatena blog

営業というものについて何が嫌なのか考察した

エンジニアの皆さん、営業という人種は嫌いですか?僕は嫌いでした。

それでも今は、前職で代理店やって、現職で今の営業チームと一緒に仕事して、そこにいる営業の人たちはとても好きだし、素晴らしいなと思ってます。

そして僕自身も、広い意味での営業行為を行う人間に今はなっています。

じゃあなんで、漠然とした営業嫌いイメージがあるんだろうと、この本を読みながらモヤモヤしたものが浮かんできたのでブログに考察しました。思考メモなのであんまり結論はないです。

なぜハーバード・ビジネス・スクールでは営業を教えないのか?

なぜハーバード・ビジネス・スクールでは営業を教えないのか?

 

 内容は、さまざまな「伝説の」と呼ばれる各国の営業(日本の保険営業レディにも)にひたすらインタビューしていくスタイルで、本書のタイトルにある疑問に対する答えは最後の最後まで考察されないので、途中で読むのやめかけました。原著タイトルはArt of Salesだそうで、邦題のせいでした。

※本エントリでは、営業職につく人を「営業・営業マン」、売り込みに関する一連の流れを「営業行為」と表記します。

結論から言うと、「営業行為は人生そのものだ」という原著タイトルらしい結論になるのですが、それ以外にも営業を構成する様々な要素が分解されていて読後は満足感が得られるものでした。

僕の嫌いな営業

なぜ僕は営業が嫌いだったのか。を思い起こしてみました。人生で初めて出会った営業は高校の時のバイト先の人でした。彼にはその後本当に本当にお世話になったのですが、当時はやっぱり少し苦手でした。

彼が当時やってたのは、夜間のバイト先と異なりケーブルテレビの営業でした。毎日怒鳴られたりしてもすごくよい成績を出していたと自慢していたのですが、やっぱりぴんと来ないものがありました。

当時のケーブルテレビの営業は、かなり営業インセンティブの高いジャンルでした。いまでも光コラボの訪問販売とかはそうかな。

営業マンという存在は、歩合の給与を得るために、昼夜家に押しかけ、他人の時間を奪い、ケーブルテレビという無くても困らないものを押し売りする、そんなイメージでした。

ほかにも、セールストークも嫌いでした。たとえば南アルプス天然水があった時に、自分からすればペットボトルの水以上ではないものの、営業マンはそれを南アルプスのきれいな雪解け水が地下までしみ込んだ、日本一うまい水だ。と話を盛ります。これも嫌いでした。

  • インセンティブのために売り込みをすることが、顧客の事なんてどうでもいい感じがして嫌だ。
  • 飛び込み営業は、顧客の時間を一方的に奪うからいやだ。
  • 顧客が当初ほしがっていないのに、そのトークで顧客の気持ちを無理やり変えるところが嫌だ。
  • 顧客に拒絶され、怒鳴られ、かわいそうな目に合うのにやり続ける姿が人権ない感じで嫌だ。
  • 100のものを、120とか150であるかのように誇張して話すのが嘘つきみたいでいやだ。
  • そもそもお金にギラギラしているのがいやしい感じがする。

あとは、自分がエンジニアだった時によく周囲で出ていた営業の嫌なところは

  • 売った後のことを考えずに仕事をとってくる、無謀な値下げをする
  • 顧客のいうことは絶対。でも自分で対応できないからスタッフが振り回される

といったものがありました。

営業マンの葛藤

本書を読み進めていくと、とはいえ企業活動のほとんどで営業はなくてはならず、もしあなたがコピー機のメーカーだったら、やはり営業部隊を組織するかアウトソーシングして売らなければいけません。いいものを作れば売れる時代は終わったのです。

ではコピー機を売る営業は金のために嫌な仕事をやっているかというと、やはり上記のような道徳観・倫理観との葛藤、本当に必要としている顧客にサービスを提供できた時の喜び、目標を達成するやりがいなど、複雑な感情を背負って働いていると本書は解説していました。

本当に成果を出す営業マンは、宗教のごとく売ることが顧客の役に立つと信じたり、顧客と友達は同じだというように人間関係を築いていると紹介されていました。ぶっちゃけ理解できないのですが、スタートアップのCEOとかもクレイジーな人が多いので、なにかトップになる人はクレイジーなんだなと理解しました。

ステレオタイプな営業ではなく、要素分解するとWeb屋も同じ

一方で、要素分解してもう一つ気づいたことは、Webサービス(とくにB2C)を作って運営し成長させていくことは、システムやクリエイティブを用いて営業行為を行っているにすぎない、同じなんだなと思いました。

  • 邪悪なスクロール追随バナーは、なんども食い下がってくる営業と同じでは
  • 長い長いLPや、メルマガ文面は営業トークそのもの
  • KPI至上主義で破滅していくのは営業インセンティブと同じ
  • サインアップしてくれたユーザにバグやいけてないUIで不便を強いるのは詐欺まがいの営業と同じではないか
  • Twitterやストアレビューでぼろくそに書かれるのは人権ない感じだ

などなど。

そう考えると共通の要素が見えてきます。売るべき商品を、その市場で胸を張れるレベルのものを提供する。とかインセンティブとKPI至上主義で本来の価値提供を曲げない。とか嫌な客を無理に追わないとか。

 

そう書いたときに、僕が苦手な人って、営業に限らず高い目標を達成するために周囲を巻き込んで無茶ぶりしてくる人全般なんだなっていう結論になってきました。

高い目標を達成するためには、スタッフ部門に嫌な顔されても、例えば1週間前依頼ルールを無視して3日前に依頼してくるとか、無謀な割引して大口顧客を開拓したりとか。

でもそういう人がやっぱり会社を成長させていく割合が高いので、経営的にはそっちの方が大事だし、そういう人たちのおかげでボーナスもらえるんだなとも思います。

なので、苦手だけど能動的に巻き込まれて応援しようとは思っています。そもそも人づきあいが苦手なのですが。

マーケティングオートメーションからの営業フローは好き

ところで、本書でもすこし触れられていたのですが、マーケティングオートメーションをはじめとする営業フローは個人的にとても好きで、こういうのなら自分がやるのもありだなと思いました。

  • コンテンツマーケティングなどで、一般ユーザから興味がある人だけをマーキング
  • メルマガ購読など、興味の強い人だけを選別
  • スコアが上位になると営業チームがまず電話でヒアリング
  • ニーズがあることが分かったうえで商品説明し契約

バリバリ営業属性の人でなくてもわりと無理なくできると思いました。エンジニアでも常駐先でクライアントの人が困ってて、自社の別のチームがそれの解決策を持っていれば、ほんなら買う買わないは置いといて別のチーム紹介しますよっていうくらいできるよね。

 

少し話がそれました。上では触れていませんが、商品価値の誇張については、誇張ではなく多面的に説明しているだけだと商品企画に携わってから思うようになりました。

薬が飲みたい人にとって水は混ぜ物がないことが重要だし、マラソンランナーには失った水分補給だし、備蓄の場合は賞味期限が重要だし。

モノやサービスはひとつでも、その価値は受け取る側の数だけ微妙に異なることが多いです。

売り込み力はすべての人に必要

最後に、本書の最初のほうで触れられていましたが、ステレオタイプな営業マンではなく、広義の営業行為は、みんなにとって必要です。僕も息子にいつか教えたいと思っています。

転職するエンジニアは、なぜ自分を雇うべきかを売り込むし、彼氏彼女と付き合うのも売り込みだし、もっと細かい話でいうと、なぜこのプルリクがapproveされるべきなのかも売り込みの一種といえます。

そこには、人間というめんどくさい相手をhackして、相手がほしがっているものや価値観に寄り添い、そこに応えていくという大変な活動があるようです。