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ku-sukeのブログ

Just another hatena blog

1万円の価値(と企業規模と業務システム)のはなし

最近、おっさんエンジニア諸氏と久しぶりに飲みに行くときによくする話があるのですが、社員50人の会社から2000人(当時)の会社に転職して、あるいはもっと歴史ある企業のお客様と接するときに痛感することが有ります。

 

本題に行く前に飲みの席で出た具体例を。

 

とあるクラウド形式で提供されるサービスが有り、それは従量課金のクレジットカード払いが標準でした。そこで日本のとある会社が2万円前後の微変動する実費のサービスを請求書払いで月5万円強で企業に提供していました。

 

そこで、「それはぼったくりだよね」という話になったところで、僕が「そんなこともないんじゃないかな」という話を入れました。

長い間日本企業は稟議で予算確保、月末締め、翌月末払いの請求書払いを基本としていて、それをベースに社内システム・人員含む体制が構築されているので、そこからはみ出る処理は手間がかかるんですわ。という話をしました。

 

■日本的な業務の仕組みとあわない

 

たとえば前述の請求書払いの月5万円のサービスだと、5万円×今会計年度末月までの利用費を稟議に上げればいいわけです。予算確保と見積書、支払いが一致するわけですね。

ところが前述のクラウドサービスをそのまま使うとなると話がややこしくなります。

まず、コスト見積がわかんないので、多めに稟議をあげます。100万円とか。そうすると実費30万円だったとしても100万円の予算確保をベースに売上見込みを立てるような業務システムがあるので、そのフォーマットにあった作文を作るわけです。「150万円儲かります」みたいな。

あるいは、ぎりぎりの予算を通そうとすると、1円でも超えた瞬間大慌てで支払期日までに追加の稟議を挙げないといけません。「利用数が突発的に発生し5000円超えました。」みたいな。

さらに会社によっては「見積書の添付をお願いします」と言われることも。。。

 

無事に予算が確保できたら、次はコーポレートカード使用申請です。こちらも限度額があるので注意が必要、かつ、使用額の見込みが不安定となると経理はいい顔をしません。「もし限度額超えて決済できない案件ができたらどうするんですか!」と

 

そういった経理担当を説得し、はれてサービスを使い出すと早速月末が訪れます。実際の使用料金が確定したので先の経理担当に報告します。「今月は$198でした。」「それ何円?」「今日のレートでぐぐったら23,543円です。」「請求タイミングのレートで確定してくれないと困るんだけど」「えっと、いつだっけ。。」

そして決済タイミングの為替レートで説明を終わらせると「それでは領収証の原本を送付してもらって下さい」と言われたりします。ないよ。Webの管理コンソール見てよ。あってもPDFなんだけど「原本」って何さ。

 

■言いたいことは業務システムのクソさではなく

 

ようするに、クレジットカードでドル払い、従量課金で年間コストが正確に予測できないサービスは、大企業の非IT部門との間で多大な調整コストが発生します。そんな事務処理に毎月数時間費やすとしたらどうでしょう。それが月3万円で解決できるなら払うという企業担当者はめちゃくちゃ多いです。さらに紙のNDAも結ばしてくれると最高。

 

ここで表題の1万円の価値になるんですが、零細企業、あるいは個人事業主にとって毎月3万円って大金だと思うのです。月の売上が100万円とかだと3%じゃないですか。

 

でも、月の売上が1億とか、10億になってくると、3万円なんて誤差でしかないわけです。なので「日本のトラディッショナルな社内標準のワークフローでできるようになる」ことは、大企業にとっては数万円、へたしたら数十万円くらい喜んで払うわけです。

 

僕が1万円の価値っていうのを感じたのは、やっぱ大企業って機材や検証機はケチらないし、いざ広告打つぞってなったら、数万円単位じゃなく数百万円単位だし、逆に月間の売上1000万円くらいだと失敗とみなされるし、子会社が独立して8億円の売却益が発生しても、「当期純利益への影響が軽微なため」って発表しちゃったりして、違うなーと思うわけです。

 

もちろん、そこで所属する人間も、家に帰ればただの人なので、卵1パック188円で高いな、と思ったりするわけで会社人間としての金銭感覚とのギャップでも考えちゃうわけです。

 

■結論:本質的な価値ではないところも含め「顧客価値」

 

だから僕は、もし日本でB2Bのサービスをやるなら、固定金額や請求書払い+営業部隊っていうのは(必要とは言わないけど)顧客提供価値の一部だと思ってます。価格帯によっては本質的な価値よりもそっちのほうが上回る場合もあるんだけど、そこはサービス設計としてグローバルじゃなく日本市場をターゲットとするならアリだと思います。

 

技術者の人って本質的な価値しか追求されない方が結構多いので、こういうはなしをおっさんエンジニア諸氏とすると盛り上がるわけですw

 

※そんなクソみたいな業務システムになってる企業は滅びればいいという皆様には同意しますが、おおいんですよ。普通に。売上1億円超える企業だとこっちのほうがスタンダードだと感じます。

 

※その分、大口契約の可能性も高いわけで。めんどくさいから年間契約で10ユーザー分よろしく的な。大口契約になればサービス提供側も、事務処理コスト分サービスに転嫁しなくていいので、本質的になりますね!