ku-sukeのブログ

Just another hatena blog

TapjoyはいかにしてWebだけでリワードを実現するか

Tapjoy creates app marketplace, says Apple has nothing to do with it | GamesBeat

広告系の会社に転職したし、このへんのアドテク?についても解説するよ!!

さて、TapJoyがアップルから睨まれて排除されだしたことを受けて、Tapjoyが先日あらたなシステムを立ち上げました。それが上記のマーケットプレイスなんだけど、仕組みは超簡単。エンタープライズ構成プロファイルの仕組みを使って、UDIDほか機種情報をSafari経由でぶっこ抜いてるんですね。これだとAppleの審査が及ばない位置なので、マーケットプレイス自体を防ぐのは無理。

あとは、url-schemaのディープリンクを使うか、アップルに見つかりにくそうな薄いライブラリで成果承認だけちょこっとしておけば、晴れてリワードシステムが出来るというわけですね。

このへんはイタチごっこと言うか、プラットフォーマー vs 有力デベロッパーの技術的政治的駆け引きが面白いところです。弱小デベロッパーなら、アップルに潰されて終わりですが、Tapjoy(のクライアント)くらいの規模のデベロッパーをあまり敵に回してもAndroidに軸足を移されても困りそう。

技術的な仕様が気になる人は、「エンタープライズ配備ガイド」でググると幸せになれます。同じ仕組は、たとえば最近テストが超簡単になると話題のTestFlightでも導入されていて、テスターさんはSafariでアクセスすることでUDIDをTestFlight側に送信できるんですね。

たぶん、この方法が主になったら、OS側に改修を加えてきそうな気がします。アップルが認定した構成プロファイルしかインストール出来ないとか、あとから構成プロファイルを削除できる機能とか。。

ただし構成プロファイルのインストールが必要

この仕組を使う際、ユーザは自分の端末に構成プロファイルのインストールが必要になります。何も知らないユーザは、正しいSSL証明書が表示されれば、多分素直にインストールしてくれるかもしれないけど(とくにリワードでアイテムをゲットしようとしている最中だと)リテラシーが高いユーザは躊躇するかもしれません。

だって、この構成プロファイルを使えばあんな事やこんな事まで出来ますからね。ソフトバンクのWifiスポット認証もほぼ同じ仕組みですから、それくらいのことはやろうと思えばできるはず。。

半年後くらいには、ひろみちゅ先生の日記に「iPhoneに不正なプロファイルを埋め込む悪徳業者」みたいなエントリが上がってそうな気さえしますw

まとめ

tapjoyの新しいリワードシステムは、構成プロファイルを使ってSafari経由でUDIDを送信させ、それをリワード広告の成果承認に使うことでAppleのBANから逃れようとしている。
ユーザがどの程度このサービスに流れるか、かつこの方式が流行ってしまうとユーザがプロファイルインストールに対する抵抗がなくなりセキュリティ上の懸念がでないか気になる。
個人的には重要な技術なので暇を見て実験するつもり。

ひろみちゅ先生のRTで少しブクマついたので補足

  • このサービスは、Appleのリジェクト回避のために、こないだオープンしたばっかりのWebマーケット(多分ベータ)でやっているので、旧来(いま世に出回ってる)のTapjoySDKではないとおもわれます。
  • ちなみに構成プロファイルをインスコする段階でインストールしますか?と聞いてきます。安全そうなチェックマークと、GoDaddy(SSL屋さん)による署名済みである旨が表示されます。
  • インストール時に表示される「デバイス登録チャレンジ」という言葉(これはAppleが用意した文言)がUDIDほか機種情報を*.tapjoy.comに送信しますよ。という意味です。
  • リワード広告に対して僕は肯定的な立場です。